王妃のご訪問は、患者とスタッフにとって生涯の思い出になりました。王妃は、当病院を訪問し、内科及び外科病棟の全入院患者二十四人に対して、治療セットを下賜され、深い愛と慈悲を表されました。さらに、王妃とシアヌーク国王は、病院運営のためにと一万ドルを寄付してくださったのです。この浄財は、貧困患者の救済のために活用される予定です。
「今まで、王妃は写真でしか見たことがありませんでした。握手していただけたなんて、信じられません」
と患者のカオ・スンさん。
王妃の慈悲に元気づけられたというソフィープさんは、
「王妃は、私が病気であることに悲しみを示してくださいました。病院のお医者さんや、看護婦さんを信頼するよう励まして下さり、私の病気が回復することを願っていますという、身に余るお言葉をいただいたのです」
医師、看護婦および他のスタッフは、王妃より「カンボジアの貧しい弱者である患者たちのために、今後も精一杯尽くしてください」という杢言葉を賜りました。誰にも知られず、黙々と時間と労力を捧げて献身してきた者も少なくないスタッフにとって、そのお言葉は、このうえない勇気と励みになったのです。
「王妃にお目にかかれたことは、たいへんな名誉であり、光栄でした」
と、ポツト外科医が感激の面持ちで語っていました。
「病院の業務を、王妃がどれほど高く評価してくださっているかを知ることができ、いま病院全体の士気が、この上なく高まっています」
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