ワールドメイト
どんなに貧しい人でも無料で治療が受けられる、カンボジアのシアヌーク病院 サイトマップ
寄付・支援方法
カンボジアの今
シアヌーク病院とは
活動内容と目的
建設ストーリー
組織と運営
マンスリーレポート
医療レポート
内科医療
外科医療
看護部門
放射線医療
薬局部門
HIVへの取り組み
医療図書館
活動報告
建設ストーリー
カンボジアに病院を! 夢の始まり
(左から)シアヌーク・ホスピタル・コープの会計ゲンペル氏、同会長のクリッシャー氏、シアヌーク国王、モニニヤット王妃、同副会長の深見東州氏、クリッシャー氏夫人。
左上のサインは、シアヌーク国王のもの。
 「シアヌーク病院」と名づけられた24 時間無料救急病院が、カンボジアの首都・プノンペン市内に建設され始めたのは、1994 年のことでした。

 日本に初めて「ブラインドゴルフ」(盲人のためのゴルフ)を広め、ブラインドゴルフの世界組織を作るなど、世界的な福祉を目指し実践してきた深見氏が、内戦後のカンボジアの状況に注目したのが、始まりだったのです。

 20年近い内戦でほとんどの知識階級が殺され、医師は3万人に1人(cf .日本は500人に1人)という カンボジアにとって、最新設備を調えた救急病院は、 切実に必要とされていたものでした。病院が圧倒的 に足りないという話を聞いた深見氏は、即座に「貧しい人々でも無料で治療が受けられる、24時間体制 の救急病院を作ろう」と決心したのです。

 病院建設の窓口となった、バーナード・クリッシ ャー氏(元ニューズウイーク東京支局長、ジャパ ン・リリーフ・フォー・カンボジア代表、カンボジア・デイリー新聞社主)とともに、深見氏は現地に入り、 現状をつぶさに見て、病院建設の必要性をますます 痛感したと言います。そして単に資金援助だけでな く、何度も現場を訪れて、建設の指揮をとってきた のです。建設の資金や、プロジェクトの根幹となる資金は、深見氏が代表を務めるワール ドメイトからの寄付によって賄われました。


シアヌーク国王自ら、命名を
シアヌーク国王と会談風景。
左上のサインは、シアヌーク国王のもの。
 この計画を聞いたカンボジアのシアヌーク国王はことのほか喜ばれ、深見氏やクリッシャー氏と面会されて謝辞を述べられ、この病院に自らの名を託し「シアヌーク病院」と命名してくださいました。さらに、プノンペンの一等地をカンボジア政府が提供してくださったのです。

 こうして、病院建設のプロジェクトは動き始めました。しかしながら、その完成・診療開始までの道のりは、平坦ではありませんでした。とりわけ、具体的にどのように運営していくかは、このプロジェクト最大の難関であるといっても過言ではありませんでした。

 カンボジアがポル・ポト派支配下にあったとき、知識階級の人々は徹底的に迫害され、ほとんどの医者は殺されてしまいました。現地で十分な医療チームを編成することはもはや不可能に近いのです。

シアヌーク国王(左)と、深見東州氏(右)
 まして、複雑な手当てや手術となると、外国人医師を派遣するしか方法がありません。しかも、24時間病院のため、三交代で運営し、最低200人近くのスタッフが必要とされています。事務、掃除、管理業務、看護・手当ての一部は現地の人々が担当できるとしても、重要なポストには今のところ外国人に就いてもらわなければなりません。一体どうしたら運営がスムーズに運び、カンボジアに長期的に貢献していけるのか、深見氏をはじめ関係者一同が頭をかかえる問題でした。


氏とゲンペル氏の出会い
 そんな時、ちょうどタイミングよく決定的な出会いがありました。アメリカに本部をおく「ホープ・ワールドワイド」と深見氏の邂逅があったのです。
  ホープ・ワールドワイドは、1991年に設立されたプロテスタント系の慈善事業団体です。このホープを支援しているのが、キリスト教のなかでも新宗教(新宗派)に属する「キリストの教会」(Church of Christ )。「キリストの教会」は、19世紀末にアメリカで創立され、いまや日本を含め、世界各国に十数万の信者たちがいます。

 ホープ・ワールドワイドは急速に成長し、今や世界的なネットワークをもち、7万人のボランティアと500人を越える医師団を抱える大規模な組織となっています。

 アメリカ国内でも、麻薬患者へのリハビリの援助や、貧困のために予防注射を受けていない子どもたち向けのキャンペーンなどを実施していますが、主なる活動は第三世界で行われています。
 ハンセン氏病患者のための村をインドで建設したり、タイで女性教育を推進したり、アフリカでエイズクリニックを運営したりと、合計34カ国で75のプロジェクトを営んでいます。最近は国連NGO(非政府組織)に認定され、アメリカの公式なODA(政府開発援助)機関であるUSAID からも資金の一部を調達できるほど、その活動は高く評価されています。

 深見氏は、ホープの存在を知り、すぐに創立者であるゲンペル夫妻を日本に招聘し、1996年7月末に初めて会談を持ちました。

 深見氏とゲンペル夫妻は、共に前人未到の夢を実現することが生き甲斐であるなど話が弾み、意気投合したのでした。病院運営の具体案はこの会談を期に、トントン拍子に進んでいったのです。

 深見氏は、ゲンペル夫妻が、宗教的情熱と誠意にあふれた純粋な方と感じ、共にプロジェクトを進めていける、またとないパートナーだと感じました。また夫妻は、深見氏が福祉活動家であるのみならず、カーネギーホールでチャリティコンサートを開き、さらに自らも歌手として出演して喝采を浴びるなど、芸術性と実行力あふれる人物であることに驚き、かつ敬意を表したのです。

 夫妻は、「私たちの人生の中で出会った人の中で、最も明るく、楽しく、素晴らしく、信じられないような偉大な人が深見さんです」とおっしゃり、今後とも是非一緒にカンボジアの病院を運営したいと懇願されたのです。


シアヌーク病院の完成
カンボジア新聞でも、病院の記事が大きく取り上げられた。また、カンボジアのテレビニュースでも大きく取り上げられた。
 
 そして、1996年12月…
ついにシアヌーク病院は完成しました。

 病院の設計は、日本の著名な建築家・丹下健三氏が、無償で引き受けてくださったものです。その建物の洗練された美しさは、この国の未来への希望を象徴しているかのようです。無論、外観だけではありません。2階建て・40 ベッド、緊急・集中治療設備を擁したこの病院は、医師の質や数、また設備の質や量においても、圧倒的にカンボジア第一であり、かつ救急病院であり、すべての診療が無料で行われるのです。

 1996年12月9日には、シアヌーク国王主催の昼食会が開かれ、深見氏はじめ病院建設に功労のあった方々が、王宮に招かれて国王夫妻と会食されました。
この病院の完成は、カンボジア王国にとって、それほどの慶事であったのです。

深見東州氏(2列目左から4人目)と「ホープ」のメンバー(後列左から7人目が「ホープ」の代表ゲンペル氏)。彼らはシアヌーク病院を運営していく、医療スタッフである。
 
 さらに10日に行われたオープニング・セレモニーには、モニニヤット王妃をはじめ、ラナリット第一首相(シアヌーク国王の長男)、カンボジアの大臣たちも列席されました。

 わずか2年前まで、誰も思い描いたことのなかった、「最新鋭の医療設備を備え、貧しい人でも無料で治療が受けられる、救急病院をカンボジアに!」という夢──。

 深見氏が抱いた純粋な想いが、周囲を動かし、ワールドメイト7万人の会員や、クリッシャー氏、ゲンペル夫妻、ホープが賛同してきたその夢は、今大きく花開きました。そして今では、年間10万人もの人たち──これまで、医師の未熟さや設備不足や貧しさのために、満足な診療を受けられず苦しんでいた人たち──がこの病院を訪れ、命を救われるようになったのです。

 カンボジアに灯された医療の光は、皆様のバックアップを受けて、今も人々を照らしています。
シアヌーク病院の建設…それは、病に苦しむカンボジアの人々に、救われる道が開かれたことであり、また同時に、私たち一人一人が、その人々を手助けする手段を得たということなのです。


1996年4月10日 カンボジア王宮にて
 1996年4月10日、深見氏とワールドメイトのスタッフが、カンボジア王宮においてシアヌーク国王と会見。会談のはじめに、シアヌーク病院開設に関して、シアヌーク国王より、たいへん上品な英語で感謝のお言葉を賜りました。以下にその全文をご紹介します。

シアヌーク国王より、
深見東州氏に贈られた、
ハンドメイドの銀製品。
[原 文]
My warmest congratulations to you, Mr. . May I avail myself of this nice opportunity to express my deepest gratitude on behalf of the Cambodian people for your great generosity. This wonderful hospital with modern equipment is very much appreciated. I thank you very much for your kind, generous and noble actions towards Cambodia and the Cambodian people.

[日本語訳]
 深見様、心よりご祝福申し上げます。この場をお借りして、カンボジア国民に代わり、貴殿の広く温かいおこころざしに、厚く御礼申し上げます。最新の医療機器が装備された、この画期的な病院が実現することになり、これほどの喜びはありません。わが国とわが国民に対して捧げられた、貴殿の優しく、寛大で、そして尊い真心に、深く感謝申し上げます。



寄付・支援方法はこちら